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旅の備忘録 --- アジア・ヨーロッパなどの海外旅行記・国内旅行記・北海道

秋田 湯瀬温泉~後生掛温泉

宿泊先は秋田の湯瀬温泉、姫の湯ホテル。チェックイン後に遅い昼食を食べようとホテル内のレストランに向かうが、開くのは夜のみ。JR湯瀬温泉駅がすぐ裏手にあるも、食事処はおろか普通の店すら無い。「ホテルの売店カップ麺ならあります……」と、フロント氏が恐縮したように教えてくれた。

多分そういう約束になっているのであろう、私達が乗った送迎車はホテルに到着する直前、温泉郷の入口にある観光土産店に寄っていた。そこには「きりたんぽ工房」という看板があった。しかし、店内が妙に薄暗く、きりたんぽコーナーにはカバーが掛けられ、今日どころか長い間きりたんぽを焼いたことのないような雰囲気。そもそも店員が誰もおらず、物騒だなと思いつつ、速攻退散していたのであった。

ちなみに、ホテルのロビーや部屋は綺麗ではあるが、部屋の窓側の障子を開けると錆付いた手摺りと、その向こうに同じく古いホテル群が見えて――何だか侘しい気持ちになれる温泉郷だ。

ひもじさを堪えて一風呂浴びてから、部屋での夕食。おかずも盛りだくさんで美味しい。ところが、食事に合わせて注文してあった地ビールが、いつまで経っても来ない。催促してからやっと現れたのが、豹柄シャツに中が見えそうな黒のミニスカート、一昔も二昔も前に流行ったような髪型、バブル時代を思い起こさせてくれる風貌の――オバサン。

彼女は私達の部屋に入るなり、「水が……」と呟いた。視線を追うと、タオル掛けから水が滴り、入り口付近の床が少し濡れている。すっかり腰を落ち着けて食事をしていた私は、「すみません。でも、後で拭いておきますから」と言ったのだが、彼女はビールを乗せたお盆を持ったままで立ち止まってしまった。どうやら、私達が床を拭くまで、テコでも動く気はないらしい。とりあえずそのくらい跨いで来い! と言うか、本当に濡れているのはちょっとだけなのに細かいなあ! と叫ぶのは心の中だけにして、床を拭きに行きましたとも。

仲居さんならば何も言わずに拭いてくれるところだろうが、彼女はホテル内スナックのママさんらしい。まあ、スカートが短いから屈むのが嫌だったのだろうけど。地ビール売店にも置いておらず、ルームサービスで飲むしかなかったのだが、彼女のスナックでのみ扱っているのだとか。

そんなこんなで食事を終え、仲居さんに電話する。これがなかなか繋がらない。立て続けに3回、5-10分毎に何度掛けても駄目。業を煮やして直接フロントまで言いに行くと、電話回線がFAXモードになっていたため、ホテル全体の電話が不通になっていたようだ。この一時間、私達と同じように困っていた人が多数いたことだろう。

食事を下げるのが遅くなった分を挽回するかのように、布団を敷きに来たのは素早かった。折りしもトリノ五輪の期間中で、テレビを見ながら敷き終わるのを待っていた私達に、布団敷き担当のオバチャンが喋る喋る。何時まで喋るんだろうというくらいに。

翌日は翌日で、前日のこともあってか、電話してから驚く程すぐに部屋食の片付けに来てくれた。しかし、今度は布団敷きが来ない。一時間経ち、流石に痺れを切らして再び電話。すっかり忘れていたとのこと。いや、正直でよろしいです(苦笑)。

全体的にのんびりしているというか、十数年前のままの雰囲気というか、いろいろな意味で楽しませて頂きました。でも、温泉も含めて施設やサービスも良かったし、また泊まりに行きたいと思う。

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滞在中日は姫の湯ホテル主催のミニツアーを利用して、後生掛(ごしょうがけ)温泉へ行った。十和田八幡平国立公園にある人気の湯治場で、湯瀬温泉から車で一時間弱も走らせれば、そこは懐かしの銀世界。

泉質は酸性単純硫黄泉。メインの風呂の他に滝湯(打たせ湯)、気泡風呂、サウナ、そして目玉でもある箱蒸し風呂、泥湯がある。私は主に泥湯で一人、泥を掬っては身体にぺたぺた塗り捲って戯れていた。ところが後で気付いたことに、爪の間に入り込んだ泥を落とすのが大変だった。露天風呂は数日前の大雪の影響で閉鎖されていたため、見ることすら出来なかったのが残念。

参加者が私達二人ともう一組だけという少人数のため、滞在時間を好きにして良いと言われて三時間としたところ、出発時刻の二時になって大型バスから数十人もの客が降りて来た。私達は風呂も殆ど貸切のように使っていたし、箱蒸し風呂は四つ、泥風呂も二人か三人が限度という感じなので間一髪。

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カメラが故障したため、温泉地での写真がありません(泣)